大体において、世の中のことでちょっと感じ悪く思っていることがありますが、
恰好いいモノとか、本格的なものは、皆男の人のもので、
女の人向けは、かわいいとか小さいとか易しいとか、
そういう傾向にあるのは間違っていると。
女の人だって本格的なもの好きだと思うんですけれど、
そうなると「女子オーディオ」とか「カメラ女子」とかつくのが腹立たしい・・
(・・割に乗っかって言うこともありますが・・)
そんな日常のうっぷん晴らしは置いておいて、
この本。
池波正太郎「男の作法」
恰好いいんです。生き方が。
生き方・・・というと大袈裟ですね。
在り方といか、気持ちの持ちようというか。
この本はそもそも、池波氏が自分で「こういう本書いてみよう」というのではなく、
若い編集さんなどからの強い希望で、語りおろされたもの。(最終的に原稿にご自身のペンが入っていますが)
池波さんを近くで見ていたら、この本に書かれているような内容のことは、
さぞかし「男として」というか「人として」恰好よく感じられたでしょうし、
日本の文化の素敵な部分として、それは是非多くの人に伝えたいと思ったことでしょう。
人生は、恰好よく生きたい。
人に見られてどうこう・・とか、
かしこまった形式ばったモノではなく、
結局は人と人で、1対10のように見えても最終的には1対1なので、
キャラクターや魅力は人それぞれとしても、
筋の通った、素敵なマナーを持った人になりたいです。
今から30年前にに書かれた「男の作法」は、今読んでも鮮やかで、「ニンゲンの作法」として読めます。
・・と大きく書いていますが、「寿司屋では」とか「靴は」とか、非常に気楽な本ですので、是非一度お手元に。
(発刊は1984年)