なんだか久しぶりの積ん読。積まれ行く本は溜まる一方で、手をつけられていないモノも数多く、、、。
今回はこの3冊
★ ギリシア神話 串田孫一
ヨーロッパの絵を見るにつけ、本を読むにつけ、音楽を聞くにしても、ギリシア神話、キリスト教は抑えておきたいと思うのだけど、さっぱり読み進まない。
ギリシア神話は、子供の時に岩波文庫か何かで読んで面白く感じていたのに今は名前が頭に入ってこなくて、眠りにつくための本となっている。
3分でわかる、、類の本は、自分に向かないことがよくよくわかって、なるべく噛み砕いた文章で、自分と合っている人の本を手に取ることにして、何冊目かの串田孫一さんの書かれたもの。
そんなことを書いているうちに前も似たようなことをブログで書いたと思ったら昨年書いていた。
この頃からなのか、ここのところ原点をまず知りたいと思う気持ちが増えている。インドの教え、キリスト教、ローマ神話、成り立ちや歴史、、、世界が混沌としてきているからか。
★ 源氏物語 瀬戸内寂聴訳
源氏物語って、教科書で冒頭読んで、小学館が出した日本古典文学全集の訳付きのとかを居眠りしながら眺めたり、ダイジェスト的な田辺聖子の新源氏物語や、林真理子の源氏がたりを読んで、すっかり知っている気に。でも、あんなに何巻も連なっているのに、2,3冊でまとめられるわけないと、度々トライ。実家にあった谷崎源氏や、ややライトに思われ装丁もちょっと素敵だった林望の訳も手を出したのだけれど、どれもドロップアウトしました。
今のところもしかしてこの寂聴源氏が一番しっくりくるかもしれません。
大筋は知っているものの、あ、こんなふうに描かれていたのかと、訳者によって、読んでいる方の感じ方もずいぶん違うものです。
やはり恋をたくさんして、そしてあのように生き抜いた寂聴さんの言葉で紡がれる話だからか、面白く読める。
★ 問答有用 徳川夢声対談集
少し前に書いた、山口瞳の飲兵衛の本で知った活弁士、徳川夢声のさまざまな人との対談をまとめたもの。
活弁士というのは、映画が無声映画だった頃上映中に内容を解説する人。、、だそうで字幕とは言わないまでも、その内容を把握して映画を面白いものとするのには、おそらく大変貴重な存在だったと思われます。
この対談相手がまことにゴージャス。
長嶋茂雄、松本清張なんてまだいいほうで、吉田茂、湯川秀樹、志賀直哉、吉川英治、柳田國男、武者小路実篤、岡本太郎、藤田嗣治、高浜虚子、、、なんか歴史上の人物ばかりで壮大なの。でも話の内容は身近なことというか、そんなに壮大でもない。
でも各人の所業を存じ上げているからなのか、身近な話にも奥行きを感じるのです。そう感じるのが、どこかでそれぞれの名をブランド志向的に感じているからなのか、わからない。
だって志賀直哉とはほぼほぼガマガエルの話とかなのです。しかし、ガマガエルひとつ、ここまで互いに実体験的な話を持ってるいるのが実はすごい気がしたりする。
あと、植物学の世界的権威であった牧野冨太郎との対談もありますが、私はこの方の名前を、弊店の昔から(私の入社前から)のお客様であるカメラマンの菅原一剛さんの作品で知ったので、そういう現在との繋がりも面白かった。
思えば私の最近は、仕事柄もありつつ、弊店に若い面々が育ってきた中で、ものごとをどのようにしたらわかりやすく、しかし深く伝えることができるだろうというのがテーマである。そんな中で基礎、地盤固めの一面と、他方では知識だけに頼らない実感や体験がとても大切だと思っている。
が、このぐうたらでへたれな性格と、楽な方へ流れがちな習性は子供の頃から治ることなく、こうした本をベッドの傍に置くことで自分を律しようとしているのであるのです。
(竹田)