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アルニコマグネットの時代のDECCA KELLYは日本にほとんど入荷のない大変希少品。
弊店でもこの1度のみでした。

DIATONEやTannoyをOCTAVEで鳴らしていただいているお客様から、
「マンションを買ってリフォームを進めているんだけど、今回は人が集う場所にするので、あまり大仰なモノじゃない方がいいんだ」とのご相談。
そういう時にたまたまこういう希少品が入荷しているのは、お客様の引きの強さだと思います。

「やっぱりTannoyじゃないとダメかな」というお客様にこのDECCA KELLYをご案内したところ、サイズ感、音の雰囲気共に、主張しすぎない、だけど「何か持ってる」良さを気に入られ、このスピーカーを入れる前提でお部屋のキャビネットなどを考えようとのこと。

すぐに設計士さんがいらして、スピーカーを見た上で、なるべくスピーカーをラックに組み込むように棚を設計したいが、どのような注意点があるかなどを聞いて下さり、
・スピーカーは床に直に置くこと
・スピーカーの上に棚が来る場合は音抜けのためのスリットを入れること
・通線用の穴はケーブルが混雑しないようにスリットであけていただくこと
・スピーカーの背面の壁が太鼓にならないようにしていただくこと(※元の壁を活かしたため不要でしたが、壁が二重になる場合は太鼓になるので吸音材を入れる)
それから電源についていつものお願いをして、当日を迎えました。

骨董を趣味・・(というか、もはやライフワーク)になさっているお客様のお宅は、美術品がたくさん。

ジャコメッティや

とんでもなく美しい、繊細な細工の螺鈿は国宝級。

青花秋草が描かれる李朝の壺。

骨董に暗い私でも、モノが持っている力は感じられます。
それが美術館のガラスケースの中ではなく、すぐ目の前にあるとは恐ろしいやら素晴らしいやらドキドキしてしまいますが、お客様は「いつでも手に取って眺めたり使ったりできるようじゃなきゃ、モノは死んじゃうんだよ」

オーディオもそこだけは同じで、しまいっぱなしや飾られているだけでなく、鳴らしていただいていると空間やその方の聞かれる音楽にどんどん馴染んで、活き活きとしていくのです。

OCTAVE V70とLINNのかつての最高峰のCDプレーヤーCD12が、ひっそりと佇むKELLYに生命を送り続けます。
さぞかしお話しも弾むことでしょう。
(竹田)

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