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2階の店内、オーディオ散歩。

★RCA System

ここのところ、Tannoy コーナーカンタベリー(手前)とPIEGA Ace30(DECOLA上の小さなスピーカー)ばかり鳴らしていて、あまり鳴らされていなかったRCAのシステム。今朝なんだか聞きたくなって繋ぎ変え。(RCAの詳細
前にTannoyが立ちはだかっていようが関係ありません。
大らかによく鳴っています。

「英米シンフォニー対決してみようかな」
以前アメリカタンノイで、ショルティ&シカゴ響の新世界か何かが、もう何とも言えずピッタリな響きで、米松のキャビネットは明らかに英国Tannoyとは異なる響きで、カラッとしているけれどJBLともやはり違う、すごく印象的な鳴りかたをしていました。

その頭があったので、RCAに、ショルティ(シカゴ)やバーンスタイン(ニューヨークフィル)、対してワルターの指揮するマーラー「巨人」を聞いておりました。
期待してような違いは感じられず、Tannoyは元々英国のもので、アメリカ市場向けにアメリカタンノイが作られたからなのかとか、色々思いを巡らしていたら、ワルターのマーラーはコロンビアシンフォニーオーケストラ(アメリカの楽団)を振ったものでした。
なので、クーベリック(ウィーンフィル)とか、マゼール(フィルハーモニア管弦楽団)、アバド(ベルリン)などをプレイリストに追加して、聞くと、今はどうだかわからないけれど、この時代やっぱり英米のオケの響き、違うなーと。そしてRCAの米松のキャビは、やはりアメリカのオーケストラに分があるように感じます。

RCAで他に素晴らしいのは、バーバラ・ストライサンドの映画「追憶」のテーマ曲「The Way We were」。冒頭のバーバラのハミングだけで、主人公ケイティと恋人ハベルの歯車がどうしようもなくかみ合わなくなっていくシーンが立ちのぼってきます。泣ける。。。

JAZZは、ブルーノート系よりウェストコースト系が断然合う!!と思います。
よくよく知らないだけかもしれないけれど、ウェストコースト系のものって、うっかりすると面白くなく聞こえる感じがしますが、RCAでは都会的な雰囲気に音色の豊かさが加わって断然楽しい。魅力的です。

★そうか、LINN EXAKTスピーカーってここが優れているんだ
奥のRCAで英米シンフォニー対決していて、現代のスピーカーじゃこの感じは出ないだろうなと、試しに鳴らしてみて、別の発見をもたらしてくれたのがLINN Series5 530。
ハリスツイードを纏ったお洒落な彼です。

聴いたのはエルガー「威風堂々」。
サー・バルビローリ(フィルハーモニア管弦楽団)と、バーンスタイン(BBC交響楽団)の演奏と2枚。

どちらもイギリスの主要な楽団での演奏。
両者の違いはイギリス人指揮者とアメリカ人指揮者。
(お国柄って、血液型の話題と一緒で、ついつい追いかけてしまいます。グローバル化した今ならともかく。。)
RCAのスピーカーでこの両者を聴いて、違いは感じつつも何という明確な言葉が出ないまま、LINN EXAKTスピーカーで聴いてみました。
ちなみに、EXAKTスピーカーというのは、アンプ、DACがスピーカーに内臓されていて、特徴としては、クロスオーバー歪が限りなくゼロに近い、左右の出音のタイミングがとっても揃う・・つまり位相がとんでもなく良いスピーカーです。

この2枚を聴いてみて、明確に分かったのは、バルビローリの指揮では、まるで建築のごとく音楽が構成されること。すべての楽器は、それぞれがこの「威風堂々」という建造物を建てるための重要なファクターであるということ。
対してバーンスタインの指揮では、各楽器、それぞれが登場人物!みたいな感じ。
登場人物に魅力を持たせるか、ストーリー全体に重心を置くか、そんな違いを持っていることが、このEXAKTで聴くと明確にわかる感じでした。
もう一度RCAで聴いても、やはりそういう聴こえ方はしない。というかわからない。

「本当はそうだったのか!」と、音楽のとらえ方がまるで変わってしまうのが、EXAKTスピーカーの面白さなのです。探求心旺盛な人向け。
ちなみに、530のDACはKatalyst DACでさえないけれど、この位相の正確さとか、それによる音楽の再現の素晴らしさとかはやはり特筆するべきところです。

最後に、「カムカムエブリバディ」の主題歌、AI「アルデバラン」を。
歌心が素晴らしいんですね。あんまり得意な歌手さんではなかったですが、これはEXAKTでもRCAでもどちらでも歌心を披露してくれました。
すごく明瞭で、本人がそこにいるようなLINNと、魂の響きを聴くようなRCAと。

何だか充実した店内散歩デシタ!
(竹田)

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